チョコで偏頭痛が起きる?きっかけになるのかと、見分けるための記録法

頭痛とチョコ記録で見分ける
目次

この記事の要約

「チョコレートを食べると偏頭痛が起きる」と聞いたことがあるかもしれません。

チョコレートは、偏頭痛のきっかけ(誘因)としてよく名前が挙がる食品のひとつです。

ただし、研究の世界では、少し違う見方も指摘されています。

「チョコを食べたから頭痛が起きた」のではなく、「頭痛が始まる前ぶれとして、甘いものが欲しくなった」のではないか、という考え方です。

偏頭痛には、痛みが始まる前に、あくびが出る、甘いものが欲しくなる、といった前ぶれの症状が出ることがあると言われています。

そのため、チョコと偏頭痛の関係は、思われているほど単純ではない可能性があります。

いちばん確実なのは、自分の記録を取ることです。

この記事では、チョコと偏頭痛の関係の考え方、記録の付け方、そしてすぐに受診すべき危険な頭痛を整理します。

結論:決めつけず、記録で確かめる。危険な頭痛はすぐ受診

先に結論をお伝えします。

チョコレートが偏頭痛のきっかけになるかどうかは、人によって違います。

そして、本当にチョコが原因なのか、それとも前ぶれとしてチョコが欲しくなっただけなのかは、なかなか見分けにくいものです。

だから、次のように考えてください。

1つめ。「チョコは偏頭痛の原因」と決めつけない。 必要以上に我慢しなくてよい場合もあります。

2つめ。頭痛の記録を取る。 いつ、何を食べて、どんな状況で頭痛が起きたかを書き留めます。

3つめ。記録から自分のパターンを見つける。 チョコを食べた日に毎回起きるなら、控えてみる価値があります。

4つめ。頭痛が頻繁なら、頭痛外来などに相談する。 治療や予防の方法があります。

そして、突然の激しい頭痛、手足のしびれ、ろれつが回らないといった症状は、偏頭痛ではなく命に関わる病気の可能性があります。すぐに救急車を呼んでください。

Know:偏頭痛とは

ズキンズキンと脈打つような痛み

偏頭痛(片頭痛)は、頭の片側、または両側が、脈打つように痛む頭痛です。

よくある特徴

  • ズキンズキンと脈打つような痛み
  • 体を動かすと痛みが強くなる
  • 吐き気がある、吐くことがある
  • 光や音、においに敏感になる
  • 痛みが数時間から数日続くことがある

前ぶれや前兆がある場合

痛みが始まる前に、次のような症状が出る方がいます。

前ぶれ(予兆)の例: あくびが増える、首や肩がこる、気分が変わる、甘いものが欲しくなる、疲れを感じる

前兆の例: 目の前にキラキラした光やギザギザが見える、視野の一部が見えにくくなる

「甘いものが欲しくなる」という前ぶれがあるという点が、この記事のポイントです。

Know:チョコが「きっかけ」と言われる理由

誘因として名前が挙がる食品

偏頭痛のきっかけになると言われる食品には、次のようなものがあります。

  • チョコレート
  • 赤ワインなどのアルコール
  • チーズ(熟成したもの)
  • 加工肉
  • カフェインの多い飲み物(とりすぎ、急にやめる)

チョコレートはこの中でもよく名前が挙がる食品です。

考えられている成分

チョコレートに含まれる成分のうち、血管に作用する可能性がある成分が関わっているのではないかと考えられてきました。

また、カフェインやテオブロミンを含むことも関係しているかもしれません。

ただし、はっきりしていない

チョコが偏頭痛を引き起こすかどうかについては、研究によって結果が分かれています。

「確実なきっかけ」と断言できるだけの根拠は、十分とは言えないと考えられています。

Know:「逆の関係」かもしれないという見方

前ぶれとしての「甘いもの欲」

先ほど触れたように、偏頭痛の前ぶれとして、甘いものが欲しくなることがあると言われています。

すると、次のようなことが起こり得ます。

  1. 偏頭痛の発作が始まりかけている
  2. 前ぶれとして、甘いもの(チョコ)が欲しくなる
  3. チョコを食べる
  4. 数時間後、頭痛が本格的に始まる

この場合、本人は「チョコを食べたから頭痛が起きた」と感じます。

でも実際には、頭痛はすでに始まりかけていて、チョコはその前ぶれで欲しくなっただけかもしれません。

なぜこれが大切なのか

もし「逆の関係」だった場合、チョコを我慢しても、偏頭痛は防げないことになります。

必要のない我慢をしてしまうかもしれません。

一方で、本当にチョコがきっかけになっている人もいます。

だからこそ、自分の場合はどうなのかを、記録で確かめることが大切なのです。

Do:頭痛の記録を付ける

記録する項目

頭痛ダイアリーと呼ばれる記録を付けてみてください。スマートフォンのメモでも、手帳でも構いません。

項目記録の例
日付と時間5月10日 15時ごろから
頭痛の強さ軽い / 中くらい / 強い
痛みの様子ズキズキ、締めつけられる など
続いた時間約6時間
一緒に出た症状吐き気、光がまぶしい
前ぶれあくび、甘いものが欲しかった
食べたもの(前日〜当日)昼に高カカオ3枚
睡眠5時間(寝不足)
天気雨、気圧が下がった
ストレスや疲れ仕事が忙しかった
月経(該当する方)始まる2日前
飲んだ薬市販の頭痛薬

特に注目したい点

「チョコが欲しくなったのは、頭痛の前か、何でもないときか」を記録してください。

頭痛がない日にもチョコを食べているかも大切です。何でもない日に食べても頭痛が起きないなら、チョコ以外の要因が大きいかもしれません。

1〜2か月続ける

1〜2か月ほど続けると、パターンが見えやすくなります。

受診時に役立つ

頭痛ダイアリーは、医療機関を受診するときにとても役立ちます。

医師が診断や治療方針を考える助けになります。

Do:チョコとの付き合い方

記録でチョコとの関係がはっきりした場合

チョコを食べた日に、毎回のように偏頭痛が起きるなら、しばらく控えてみてください。

控えて頭痛が減るようなら、あなたにとってチョコはきっかけのひとつかもしれません。

関係がはっきりしない場合

無理に我慢する必要はないかもしれません。

ただし、大量に食べる、カフェインを多くとるのは避けてください。

カフェインのとり方にも注意

カフェインをとりすぎる、急にやめることが、頭痛につながる場合があると言われています。

チョコのカフェインは少なめですが、コーヒーなどと合わせた1日の合計を考えてください。

空腹を避ける

食事を抜く、空腹が長く続くことも、偏頭痛のきっかけになると言われています。

チョコを我慢するあまり食事が不規則になるのは、避けてください。

ほかのきっかけも見直す

偏頭痛のきっかけは、食べ物だけではありません。

  • 睡眠不足や寝すぎ
  • ストレス、または緊張がゆるんだとき(週末など)
  • 天気の変化、気圧の変化
  • 強い光、大きな音、強いにおい
  • 月経
  • 空腹

チョコより、こちらのほうが大きな要因という方も多いと思います。

Do:受診の目安

すぐに救急車を呼ぶべき頭痛

次のような頭痛は、偏頭痛ではなく、命に関わる病気(脳の出血など)の可能性があります。迷わず119番してください。

  • 突然の、今までに経験したことのない激しい頭痛(「バットで殴られたような」と表現されることがあります)
  • 手足のしびれ、力が入らない、顔がゆがむ
  • ろれつが回らない、言葉が出てこない
  • 意識がぼんやりする、呼びかけへの反応が悪い
  • 高い熱と首の硬さを伴う頭痛
  • 物が二重に見える、急に見えにくくなる
  • けいれん

早めに受診を考えたい頭痛

  • 頭痛の回数が増えてきた、痛みが強くなってきた
  • 月に何度も頭痛がある
  • 市販の頭痛薬を月に何日も使っている(薬の使いすぎによる頭痛の可能性)
  • 今までと違うタイプの頭痛が出てきた
  • 50歳を過ぎて初めて、頭痛が起きるようになった
  • 頭痛で仕事や生活に支障が出ている

相談先は、頭痛外来、脳神経内科、かかりつけ医などです。

偏頭痛には、発作時の薬や、発作を減らすための治療があります。我慢し続ける必要はありません。

私の家族の話

実体験を書きます。

私の家族に、偏頭痛に悩んでいた人がいます。

その人は、「チョコを食べると頭痛がする」と言って、長い間チョコを避けていました。

ところが、頭痛外来に通い始め、医師の勧めで頭痛ダイアリーを付けたところ、意外なことが分かったそうです。

頭痛の前に「無性に甘いものが食べたくなる」ことが多く、そのときにチョコを食べていた。 一方で、何でもない日にチョコを食べても、頭痛は起きていなかった。

医師からは、「チョコが原因というより、頭痛の前ぶれとして甘いものが欲しくなっていた可能性がある」と説明されたそうです。

さらに記録を見ると、寝不足の翌日と、雨の前の日に頭痛が起きやすいという、はっきりしたパターンがありました。

その人は今、チョコを完全に避けるのはやめ、睡眠時間を確保することを優先しているそうです。治療も続けていると聞いています。

この話から、思い込みで決めつけず、記録で確かめることの大切さを学びました。

もちろん、本当にチョコがきっかけになる人もいます。 だからこそ、「自分の場合はどうか」を記録で確かめる価値があるのだと思います。

あわせて読みたい関連記事

この記事で参照した情報について

偏頭痛の特徴、前ぶれや前兆、誘因として挙げられる食品や生活要因については、一般に紹介されている内容をもとに整理しています。

チョコレートが偏頭痛の誘因になるかどうかについては、研究によって結果が分かれており、確実とは言えないとされています。「前ぶれとして甘いものが欲しくなる」という見方も、研究で指摘されている考え方のひとつとして紹介したものです。

救急を考える頭痛、受診の目安は、一般的な目安として記載したものです。

なお、この記事は頭痛に関する一般的な情報であり、診断や治療を目的としたものではありません。頭痛の原因の判断や治療は、必ず医師にご相談ください。 突然の激しい頭痛や、しびれ・ろれつが回らないなどの症状がある場合は、すぐに救急車を呼んでください。

よくある質問

Q. チョコで偏頭痛は起きますか?

誘因としてよく名前が挙がる食品ですが、研究によって結果が分かれており、確実とは言えません。人によって違うため、記録で確かめることをおすすめします。

Q. 「前ぶれで甘いものが欲しくなる」とはどういうことですか?

偏頭痛の痛みが始まる前に、甘いものが欲しくなる前ぶれが出ることがあります。その結果、チョコを食べたあとに頭痛が起き、チョコが原因だと感じてしまう可能性があります。

Q. チョコは完全に避けるべきですか?

記録でチョコを食べた日に毎回頭痛が起きるなら、控えてみる価値があります。関係がはっきりしないなら、無理に我慢する必要はないかもしれません。

Q. 頭痛の記録には何を書けばいいですか?

日時、痛みの強さと様子、一緒に出た症状、前ぶれ、食べたもの、睡眠、天気、ストレス、月経、飲んだ薬などです。

Q. ほかにどんなきっかけがありますか?

睡眠不足や寝すぎ、ストレス、天気の変化、強い光や音、月経、空腹などが挙げられます。

Q. どんな頭痛ならすぐ救急車を呼ぶべきですか?

突然の激しい頭痛、手足のしびれ、ろれつが回らない、意識がぼんやりする、高熱と首の硬さなどがあれば、すぐに119番してください。

Q. 市販の頭痛薬をよく使います。

月に何日も使っている場合、薬の使いすぎによる頭痛の可能性もあります。頭痛外来などで相談してください。

Q. 偏頭痛は治療できますか?

発作時の薬や、発作を減らすための治療があります。頭痛で生活に支障がある場合は、我慢せず受診してください。

まとめ

チョコレートと偏頭痛の関係を整理します。

チョコレートは、偏頭痛のきっかけとしてよく名前が挙がる食品です。ただし、研究によって結果が分かれており、確実とは言えません。

そして、「逆の関係」かもしれないという見方もあります。偏頭痛の前ぶれとして甘いものが欲しくなり、チョコを食べたあとに頭痛が本格化する。すると、チョコが原因だと感じてしまうのです。

私の家族は、長くチョコを避けていましたが、頭痛ダイアリーを付けてみると、何でもない日にチョコを食べても頭痛は起きていなかったことが分かりました。はっきりしたパターンは、寝不足と天気でした。

決めつけず、記録で確かめてください。 1〜2か月続けると、自分のパターンが見えてきます。受診のときにも役立ちます。

本当にチョコがきっかけになる人もいます。 記録で関係がはっきりしたら、控えてみる価値があります。

そして、突然の激しい頭痛、手足のしびれ、ろれつが回らない、意識がぼんやりするといった症状は、すぐに119番してください。

頭痛が頻繁で生活に支障があるなら、頭痛外来などに相談を。 偏頭痛には治療があります。我慢し続ける必要はありません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次