テオブロミンとは?チョコに含まれる量と、とりすぎたときの注意点

テオブロミンとは?
目次

この記事の要約

テオブロミンは、カカオに多く含まれる成分です。

名前はあまり知られていませんが、カフェインの仲間にあたります。化学的な構造がよく似ているのです。

ただし、働き方は少し違います。カフェインより作用が穏やかで、体内に長くとどまるとされています。

そして、チョコレートではカフェインよりテオブロミンのほうがずっと多く含まれます。 高カカオチョコレートでは、カフェインのおよそ10倍です。

普通に食べる量であれば、問題になることはまずありません。

ただし、大量に食べると、吐き気や頭痛などの症状が出ることがあると報告されています。

そして、犬や猫にとっては危険な成分です。人と違って分解が遅いためです。

この記事では、含有量の目安、報告されている働き、注意すべき点を整理します。

結論:普通の量なら心配はいらない。ただし一度に大量はNG

先に結論をお伝えします。

高カカオチョコレートを1日3〜5枚(15〜25g)食べる程度なら、テオブロミンを心配する必要はほとんどありません。

この量に含まれるテオブロミンは、およそ120〜200mgです。

テオブロミンには、カフェインのような公的な摂取目安が設けられていません。ただ、不調が報告されているのは、これよりかなり多い量を一度にとったケースです。

注意していただきたいのは、次の3点です。

1つめ。一度に大量に食べないこと。 板チョコを何枚も続けて食べるような食べ方は避けてください。

2つめ。カフェインと合わせて考えること。 チョコにはカフェインも入っています。コーヒーと一緒にとれば、両方が重なります。

3つめ。犬や猫に絶対に与えないこと。 人にとっては少量でも、犬猫には中毒を起こす量になり得ます。

Know:テオブロミンとはどんな成分か

カフェインの仲間

テオブロミンは、「メチルキサンチン類」と呼ばれるグループに属します。

同じグループには、カフェインや、お茶に含まれるテオフィリンがあります。

構造がよく似ているため、体への働きも一部似ています。

名前の由来

カカオの学名は「テオブロマ・カカオ」です。

ギリシャ語で「神の食べ物」という意味があるとされています。テオブロミンという名前は、ここから来ています。

カフェインとの違い

項目テオブロミンカフェイン
主な供給源カカオコーヒー、茶
作用の強さ穏やか強め
体内にとどまる時間長めやや短め
チョコ中の量多い少ない
公的な摂取目安設定なし目安が示されている

覚醒作用はカフェインより弱いとされています。

一方で、体内で分解されるまでに時間がかかると言われています。

チョコレートを食べて「コーヒーほどではないが、なんとなく目がさえる」と感じる方がいるのは、この性質によるのかもしれません。

体内での変化

実は、カフェインの一部は体内でテオブロミンに変わります。

つまり、コーヒーを飲んでも、体内では一定量のテオブロミンが生じていることになります。

Know:チョコレートに含まれる量

種類による違い

種類テオブロミン(100gあたり)カフェイン(100gあたり)
ミルクチョコレート約150〜250mg約20mg
ビター(50〜60%)約450〜500mg約45mg
高カカオ(70〜85%)約700〜850mg約80mg
純ココアパウダー約2,000mg前後約200mg

※海外の食品成分データなどをもとにした目安です。商品や産地によって大きく変わります。

カカオ分が高いほど、テオブロミンも増えます。

テオブロミンは、カカオマスに含まれる成分だからです。ホワイトチョコレートにはほとんど含まれません。 カカオマスを使わないためです。

実際に食べる量で考える

食べる量テオブロミンの目安
高カカオ小分け1枚(5g)約40mg
高カカオ小分け3枚(15g)約120mg
高カカオ小分け5枚(25g)約200mg
ミルク板チョコ1枚(50g)約100mg
純ココア1杯(5g)約100mg

高カカオ5枚とミルク板チョコ1枚を比べると、テオブロミンは高カカオのほうが多くなります。

「高カカオは量が少ないから大丈夫」とは限らない、ということです。

Know:報告されている働き

ここは、断定を避けて書きます。研究は進んでいますが、人で確実に効果が示されているとまでは言えないものが多いからです。

穏やかな覚醒作用

カフェインと同じグループなので、気分をすっきりさせる方向に働くとされています。

ただし、その強さはカフェインよりかなり弱いと考えられています。

血管を広げる方向の働き

血管を広げる方向に働く可能性が研究されています。

カカオの成分が話題になるとき、ポリフェノールと並んで、テオブロミンの名前が挙がることがあります。

気管支に関する研究

テオブロミンは、せきや気管支に関する研究の対象にもなってきました。

仲間のテオフィリンは、医薬品としても使われている成分です。

ただし、チョコレートを食べて同じような作用を期待するものではありません。 食品として食べる量と、研究で扱われる量は違います。

利尿作用

カフェインと同様に、尿の量を増やす方向に働くとされています。

ここで大切なこと

チョコレートは薬ではありません。

こうした働きが研究されていても、「チョコを食べれば〇〇が良くなる」という話にはなりません。体調に不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

Know:とりすぎたときの症状

報告されている症状

一度に大量にとった場合、次のような症状が報告されています。

  • 吐き気
  • 頭痛
  • 発汗
  • 動悸
  • 寝つきの悪さ
  • 胃の不快感

カフェインをとりすぎたときと似た症状です。

どれくらいの量で起きるのか

人については、明確な上限が示されていません。

ただ、症状が報告されているのは、普通の間食の量をかなり超えた量を一度にとったケースです。

高カカオチョコレートを1日数枚食べる程度で、こうした症状が出ることは考えにくいと思います。

気をつけたい人

次のような方は、量を控えめにしておくと安心です。

カフェインに敏感な方。 似た成分なので、同じように反応することがあります。

寝つきが悪い方。 体内に長くとどまるとされるため、夜遅くに食べるのは避けたほうが無難です。

妊娠中・授乳中の方。 カフェインの摂取量に気をつける時期です。チョコレートの分も合わせて考えてください。

持病があり、薬を飲んでいる方。 気になる場合は、医師や薬剤師に相談してください。

胃腸が弱い方。 空腹時に多く食べると、胃の不快感につながることがあります。

Know:犬や猫には危険

なぜ危険なのか

犬や猫は、テオブロミンを分解するのがとても遅いとされています。

人なら問題にならない量でも、体内にたまって中毒症状を起こすことがあります。

高カカオほど危険

カカオ分が高いほど、テオブロミンが多いためです。

同じ重さなら、ミルクチョコレートより高カカオチョコレートのほうがずっと危険です。純ココアはさらに濃くなります。

誤って食べてしまったら

様子を見ずに、すぐ動物病院に連絡してください。

食べた商品の種類、量、時間を伝えると、判断の助けになります。パッケージがあれば持っていってください。

自己判断で吐かせようとしないでください。 塩などを使う方法は、それ自体が危険です。

置き場所に注意

テーブルの上、カバンの中、ゴミ箱。犬は思わぬ場所から見つけ出します。

包み紙のにおいにも反応することがあります。ペットのいるご家庭では、手の届かない場所に保管してください。

Do:上手な付き合い方

1日の量を決める

高カカオチョコレートなら1日3〜5枚を目安にしてください。

テオブロミンだけでなく、脂質とエネルギーの面でもちょうどよい量です。

夕方以降は控えめに

体内に長くとどまるとされるため、夜遅くに多く食べると寝つきに影響するかもしれません。

コーヒーとの組み合わせを考える

コーヒーと一緒にとると、カフェインとテオブロミンが重なります。

気になる方は、無糖の紅茶やほうじ茶と合わせてみてください。ほうじ茶はカフェインが比較的少なめです。

一度に食べない

まとめて食べるより、分けて食べるほうが体への負担は小さくなります。

空腹時を避ける

胃が弱い方は、何か食べたあとの間食として取り入れてください。

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この記事で参照した情報について

テオブロミンとカフェインの含有量は、海外の食品成分データベースや一般に公表されているデータをもとにした目安です。カカオの産地、品種、加工方法によって大きく変わります。

テオブロミンの働きについては、研究で報告・検討されている内容を整理したものです。人での効果が確立しているとは限りません。 特定の健康効果を保証するものではありません。

人のテオブロミン摂取について、日本では公的な摂取目安は示されていません。過剰摂取の症状は、報告されている例をもとに記載しています。

犬猫への影響については、獣医学の分野で一般に知られている内容です。誤食が起きた場合の判断は、必ず獣医師に委ねてください。

なお、この記事は食品成分の解説であり、診断や治療を目的としたものではありません。持病のある方、服薬中の方、妊娠中・授乳中の方は、医師にご相談ください。

よくある質問

Q. テオブロミンとは何ですか?

カカオに多く含まれる成分で、カフェインの仲間です。構造が似ていますが、作用はカフェインより穏やかで、体内に長くとどまるとされています。

Q. チョコにはどれくらい含まれていますか?

高カカオ(70〜85%)で100gあたり約700〜850mg、小分け1枚(5g)なら約40mgが目安です。ミルクチョコレートはその3分の1程度です。

Q. カフェインとどちらが多いですか?

チョコレートではテオブロミンのほうがずっと多く、高カカオではカフェインのおよそ10倍です。

Q. 食べすぎるとどうなりますか?

一度に大量にとると、吐き気、頭痛、発汗、動悸、寝つきの悪さなどが報告されています。普通の間食の量で起きることは考えにくいと思います。

Q. 1日どれくらいなら大丈夫ですか?

公的な目安はありません。高カカオチョコレートを1日3〜5枚程度にしておけば、心配はほとんどいらないと考えています。

Q. 夜に食べても大丈夫ですか?

体内に長くとどまるとされるため、寝つきが気になる方は午後の早い時間までにしておくと安心です。

Q. 犬が食べてしまいました。

様子を見ずに、すぐ動物病院に連絡してください。食べた商品、量、時間を伝えてください。自己判断で吐かせないでください。

Q. ホワイトチョコにも含まれますか?

ほとんど含まれません。テオブロミンはカカオマスに含まれる成分で、ホワイトチョコはカカオマスを使わないためです。

まとめ

テオブロミンについて整理します。

カカオに多く含まれる、カフェインの仲間です。 作用はカフェインより穏やかで、体内に長くとどまるとされています。

チョコレートでは、カフェインよりずっと多く含まれます。 高カカオではカフェインのおよそ10倍です。カカオ分が高いほど増え、ホワイトチョコにはほとんど含まれません。

普通の量なら、心配はほとんどいりません。 高カカオを1日3〜5枚食べる程度であれば、不調につながる量ではないと考えています。

ただし、一度に大量にとるのは避けてください。 吐き気、頭痛、動悸などが報告されています。

夜遅くに食べるのも控えめに。

そして何より、犬や猫には絶対に与えないでください。 人にとってはわずかな量でも、分解の遅い犬猫には中毒を起こす量になり得ます。高カカオほど危険です。

報告されている働きについては、研究段階のものも多くあります。チョコレートは薬ではありません。おいしく、適量を、という付き合い方がいちばんだと思っています。

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