この記事の要約
逆流性食道炎と診断された方や、胸やけが気になる方にとって、チョコレートは控えるよう勧められることがある食品のひとつです。
理由として、次のようなことが挙げられています。
胃と食道の境目を締める筋肉をゆるめる方向に働く可能性がある。 チョコレートに含まれる成分が関わっていると考えられています。
脂質が多い。 胃にとどまる時間が長くなり、逆流が起きやすい状態が続きます。
カフェインやテオブロミンを含む。 胃酸の分泌に影響する可能性があります。
ただし、影響の出方には個人差があります。 チョコレートで症状が出る人もいれば、あまり気にならない人もいます。
この記事では、なぜ控えるよう言われるのか、どうしても食べたいときにどう工夫するかを整理します。
治療中の方は、この記事より主治医の指示を優先してください。
結論:症状があるうちは控えめに。食べるなら量と時間に注意
先に結論をお伝えします。
胸やけや呑酸(すっぱいものが上がってくる感じ)の症状があるうちは、チョコレートは控えめにするのが無難です。
どうしても食べたい場合は、次の点に気をつけてください。
1つめ。量をごく少なくする。 1〜2枚程度にとどめてください。
2つめ。食後すぐや、寝る前に食べない。 食べたあとは、すぐに横にならないようにします。
3つめ。空腹時も避ける。
4つめ。症状が出たら、その食べ方はやめる。 自分の体の反応を優先してください。
そして何より、症状が続いているなら、食べ物の工夫だけで何とかしようとせず、医療機関で相談してください。
Know:逆流性食道炎とは
胃の内容物が食道に戻る
胃酸などの胃の内容物が、食道に逆流することで、食道に炎症が起きたり、不快な症状が出たりする状態です。
よくある症状
- 胸やけ(胸の奥が焼けるような感じ)
- 呑酸(すっぱいものや苦いものが口まで上がってくる)
- のどの違和感、せき
- 胸の痛み
- げっぷが多い
胃と食道の境目の働き
胃と食道の境目には、逆流を防ぐために締まっている筋肉があります。
この筋肉がゆるむと、胃の内容物が逆流しやすくなります。
Know:チョコレートが控えるよう言われる理由
理由1:境目の筋肉をゆるめる可能性
チョコレートは、胃と食道の境目の筋肉をゆるめる方向に働く可能性がある食品として挙げられることがあります。
チョコレートに含まれるテオブロミンやカフェインなどの成分が関わっていると考えられています。
理由2:脂質が多い
高カカオチョコレートは、重さの4割前後が脂質です。
脂質の多い食事は、胃にとどまる時間が長くなります。 その間、逆流が起きやすい状態が続くと考えられています。
理由3:カフェインとテオブロミン
どちらも、胃酸の分泌を促す方向に働く可能性があるとされています。
理由4:甘いものを食べる習慣
食後のデザートとしてチョコレートを食べると、食事の量が増え、胃が満たされた状態になります。
食べすぎ自体が、逆流の原因になりやすいと言われています。
個人差が大きい
すべての人で症状が出るわけではありません。
逆流性食道炎の食事指導では、「自分で症状を悪化させる食品を見つけ、それを避ける」という考え方がとられることがあります。
チョコレートで症状が出るかどうかも、人によって違います。
Compare:種類による違い
| 種類 | 脂質 | カフェイン・テオブロミン | 注意の目安 |
|---|---|---|---|
| 高カカオ(86%以上) | 非常に多い | 多い | 特に注意 |
| 高カカオ(72%) | 多い | 多い | 注意 |
| ミルクチョコ | 多い | 少なめ | 注意 |
| ホワイトチョコ | 多い | ほぼなし | 脂質に注意 |
| ココア(純ココア) | 少ない | ある | 量に注意 |
※一般的な傾向です。症状の出方には個人差があります。
「高カカオは健康に良い」と聞いて、症状があるのに毎日食べるのは、逆流性食道炎の方にとってはおすすめできません。
ホワイトチョコはカフェイン類がほぼありませんが、脂質は多いので、それだけで安心とは言えません。
Do:どうしても食べたいときの工夫
症状が落ち着いていて、主治医からも特に止められていない場合の工夫です。
1. ごく少量にする
1回1〜2枚(5〜10g)程度にとどめてください。
2. 食後すぐに食べない
食事で胃が満たされたところに追加すると、負担が増えます。
食事から時間を空けてください。
3. 空腹時も避ける
空腹時の刺激も、不快感につながることがあります。
軽く何か食べたあとの、少量の間食が無難です。
4. 寝る前は食べない
食べてから横になるまで、2〜3時間以上は空けてください。
横になると、胃の内容物が逆流しやすくなります。
5. ゆっくり食べる
口の中でゆっくり溶かして、少量で満足するようにします。
6. 食べたあとに前かがみにならない
ベルトをきつく締める、前かがみの姿勢を続けると、おなかに圧がかかり、逆流しやすくなると言われています。
7. 飲み物に気をつける
コーヒー、炭酸飲料、アルコールも、逆流の症状を悪化させることがあると言われています。
チョコレートと一緒にとるのは避けてください。
8. 症状を記録する
何を、いつ、どれくらい食べたら、症状が出たかを記録してみてください。
自分にとって症状を悪化させる食品が分かりやすくなります。受診時にも役立ちます。
Know:生活の中で気をつけたいこと
チョコレートだけでなく、生活全体の工夫が大切です。一般に勧められることが多いものを挙げます。
- 食べすぎない。 腹八分目を心がける
- 寝る直前に食べない。 夕食は寝る2〜3時間前までに
- 食後すぐ横にならない
- 脂っこい食事を控えめにする
- おなかを締めつける服装を避ける
- 体重が増えている方は、見直す
- 禁煙する
- アルコールを控える
寝るときに上半身を少し高くすると、夜間の逆流が起きにくくなると言われることもあります。
具体的な方法は、主治医に相談してください。
Do:受診の目安
次のような場合は、食べ物の工夫だけで様子を見ず、医療機関を受診してください。
すぐに受診したほうがよい症状
- 強い胸の痛みがある(心臓の病気との区別が必要です)
- 冷や汗、息苦しさを伴う胸の痛み
- 血を吐く、黒い便が出る
早めに受診を考えたい症状
- 胸やけや呑酸が週に何度もある
- 市販薬を使っても、症状が続く
- 飲み込みにくい、飲み込むと痛い
- 体重が減ってきた
- せきやのどの違和感が長く続く
胸の痛みは、心臓の病気の場合もあります。 「いつもの胸やけだろう」と自己判断しないでください。
相談先は、かかりつけ医、消化器内科などです。
私が見聞きしたこと
実体験を書きます。
私自身は、逆流性食道炎と診断されたことはありません。
ただ、家族が逆流性食道炎で通院していて、医師から食事の注意を受けていました。
その中に、脂っこいもの、アルコール、コーヒーと並んで、チョコレートが入っていたそうです。
家族は甘いものが好きで、特に「高カカオなら体に良い」と、夕食後に毎日食べていました。
医師にそのことを伝えると、「体に良いかどうかと、逆流の症状に影響するかどうかは別の話」と言われたそうです。
そこで、家族は夕食後のチョコをやめ、食べるなら午後に1〜2枚だけにしました。
そして、何を食べたときに症状が出たかを記録するようにしました。
すると、家族の場合は、チョコを食べた日の夜に胸やけが出やすいことが分かったそうです。
一方で、同じく注意を受けていた食品の中には、家族にとってはあまり影響がないものもあったと聞きました。
どの食品で症状が出るかは、人によって違う。 だから、自分の記録と主治医の判断が大切なのだと、この話から学びました。
Do:チョコの代わりに選ばれやすい間食
胸やけが気になる時期に、チョコの代わりとして何を選ぶか迷う方も多いと思います。
一般に、逆流の症状が気になるときは、脂質の少ない、刺激の少ない間食が選ばれやすいとされています。
バナナ。 脂質がほとんどなく、やわらかくて食べやすい果物です。
プレーンヨーグルト。 脂質の少ないタイプを選ぶと、胃への負担を感じにくいことがあります。
おにぎり、蒸しパン、カステラを少量。 脂っこくない炭水化物の間食です。
クラッカーを少し。 油を多く使っていないものを選んでください。
反対に、柑橘系の果物やジュース、トマト、炭酸飲料、辛いものは、症状を悪化させることがあると言われる食品です。チョコをやめて柑橘ジュースに変えると、別の刺激になるかもしれません。
ただし、どの食品で症状が出るかは人によって違います。 ここで挙げたものも、合わない方はいます。記録をつけて自分の体の反応を確かめ、治療中の方は間食の内容も主治医や管理栄養士に確認してください。
私の家族も、夕食後のチョコをやめたあと、午後にバナナやヨーグルトを少しという形に落ち着いたそうです。「甘いものをゼロにする」より、「選ぶものを変える」ほうが続けやすかったと話していました。
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この記事で参照した情報について
逆流性食道炎の症状や、生活上の注意点については、一般に紹介されている内容をもとに整理しています。
チョコレートが胃と食道の境目の筋肉や胃酸の分泌に影響する可能性については、一般に指摘されている内容を記載したものです。影響の出方には個人差があり、すべての方に当てはまるわけではありません。
受診の目安は、一般的な目安として記載したものです。
なお、この記事は食べ方に関する一般的な情報であり、診断や治療を目的としたものではありません。逆流性食道炎で治療中の方、胸やけなどの症状がある方は、必ず主治医の指示に従ってください。 胸の痛みがある場合は、心臓の病気の可能性もあるため、自己判断せず医療機関を受診してください。
よくある質問
Q. 逆流性食道炎でもチョコは食べていいですか?
控えるよう勧められることがある食品のひとつです。症状があるうちは控えめにし、主治医の指示に従ってください。
Q. なぜチョコがよくないと言われるのですか?
胃と食道の境目の筋肉をゆるめる可能性があること、脂質が多いこと、カフェインやテオブロミンを含むことなどが挙げられています。
Q. 高カカオなら大丈夫ですか?
高カカオは脂質もカフェイン類も多めです。健康に良いと聞いても、逆流の症状への影響は別の話として考えてください。
Q. どうしても食べたいときは?
1〜2枚程度のごく少量にし、食後すぐや寝る前を避けてください。症状が出たら、その食べ方はやめてください。
Q. ホワイトチョコならいいですか?
カフェイン類はほぼありませんが、脂質は多いです。それだけで安心とは言えません。
Q. 食べたあとに気をつけることは?
すぐに横にならないこと、前かがみの姿勢を続けないこと、おなかを締めつけないことです。
Q. どんな症状なら病院に行くべきですか?
強い胸の痛み、血を吐く、黒い便はすぐ受診してください。胸やけが週に何度もある、飲み込みにくいといった場合も早めに受診してください。
Q. 胸の痛みは胸やけですか?
心臓の病気の場合もあります。自己判断せず、医療機関を受診してください。
まとめ
逆流性食道炎とチョコレートの関係を整理します。
チョコレートは、逆流性食道炎の方が控えるよう勧められることがある食品のひとつです。
理由として、胃と食道の境目の筋肉をゆるめる可能性、脂質の多さ、カフェインやテオブロミンが挙げられています。
ただし、影響の出方には個人差があります。 私の家族は、記録をつけてみて、チョコを食べた日の夜に胸やけが出やすいと分かりました。一方で、注意を受けた食品の中にも、あまり影響がないものがあったそうです。
症状があるうちは控えめに。 どうしても食べたいなら、1〜2枚、食後すぐと寝る前を避け、食べたあとはすぐ横にならないようにしてください。
「高カカオは体に良い」と「逆流の症状に影響しない」は、別の話です。
そして、胸やけが続く、飲み込みにくい、強い胸の痛みがあるといった場合は、食べ物の工夫だけで様子を見ず、医療機関を受診してください。胸の痛みは、心臓の病気のこともあります。
治療中の方は、主治医の指示を最優先に。自分の体の反応をよく見ながら、付き合っていってください。

