この記事の要約
糖質制限中でも、甘いものが欲しくなることはあると思います。チョコレートは、選び方と量しだいで取り入れやすいお菓子です。
選ぶときの基準は、「1回に何gの糖質をとるか」です。
糖質は、栄養成分表示の「炭水化物」から「食物繊維」を引いて計算します。表示に「糖質」と書かれていれば、それを使います。
選択肢は大きく2つあります。
高カカオチョコレート。 砂糖が少なく、甘味料を使わない商品が多いのが特徴です。カカオ分が高いほど糖質は少なくなりますが、苦味は強くなります。
糖質オフ・糖類ゼロの商品。 甘味料で甘さを出しています。「糖類ゼロ」は「糖質ゼロ」ではない点に注意が必要です。
そして、糖質が少なくても、脂質とエネルギーは少なくありません。
この記事では、表示の読み方と量の目安を中心に、選び方を整理します。
糖尿病などの治療として糖質を管理している方は、主治医や管理栄養士の指示を優先してください。
結論:「1回の糖質量」で選び、高カカオを少量から
先に結論をお伝えします。
糖質制限中にチョコレートを選ぶなら、次の手順で考えてください。
1つめ。栄養成分表示で、1回に食べる量の糖質を計算する。
2つめ。まずは甘味料を使わない高カカオ(72〜86%程度)を少量から試す。
3つめ。苦味が合わない場合に、糖質オフ商品を検討する。 その際は、「糖質」の数字と、甘味料の種類を確認します。
4つめ。脂質とエネルギーも確認する。 糖質が少ないからといって、たくさん食べてよいわけではありません。
量の目安としては、高カカオ(72%)なら1回2〜3枚(糖質約3〜4g)から始めると、多くの糖質制限の方法の中で取り入れやすいと思います。
ただし、1日の糖質の目標量は、糖質制限の方法や目的によって大きく違います。 ご自身の目標に合わせて調整してください。
Know:糖質の計算方法
糖質=炭水化物-食物繊維
栄養成分表示には、多くの場合「炭水化物」が書かれています。
炭水化物は、糖質と食物繊維を合わせたものです。
したがって、糖質=炭水化物-食物繊維で計算します。
表示の例
ある高カカオチョコレートの表示が、5g(1枚)あたり次のようになっていたとします。
- 炭水化物:1.8g
- 食物繊維:0.5g
この場合、糖質は1.8-0.5=1.3gです。
「糖質」と書かれている場合
商品によっては、「糖質」と「食物繊維」が分けて書かれています。 その場合は、「糖質」の数字をそのまま使います。
単位に注意
「100gあたり」なのか「1枚あたり」なのか「1袋あたり」なのかを必ず確認してください。
100gあたりの表示を1枚分と勘違いすると、計算が20倍もずれます。
Compare:種類ごとの糖質量
| 種類 | 糖質(100gあたり) | 1回分の量 | 1回分の糖質 |
|---|---|---|---|
| ミルクチョコ | 約50g | 板半分(25g) | 約13g |
| 高カカオ72% | 約25g | 3枚(15g) | 約4g |
| 高カカオ86% | 約13g | 3枚(15g) | 約2g |
| 高カカオ95% | 約8g | 3枚(15g) | 約1.2g |
| 糖質オフ系 | 商品による | 表示の1回量 | 表示を確認 |
※文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」および各メーカーの公表値をもとにした目安です。商品によって差があります。
カカオ分が上がるほど、糖質は下がります。
同じ15gでも、ミルクチョコなら約8g、高カカオ86%なら約2gと、4倍前後の差があります。
Compare:高カカオと糖質オフ商品の違い
| 項目 | 高カカオ(86%前後) | 糖質オフ・糖類ゼロ商品 |
|---|---|---|
| 甘さ | ほとんどない | ある |
| 甘味料 | 使わないことが多い | 使う(糖アルコールなど) |
| 糖質 | 少ない | 商品による |
| 脂質 | 多い | 商品による |
| おなかへの影響 | 少ない | 量によってゆるくなることがある |
| 苦味 | 強い | 少ない |
高カカオの利点
甘味料を使わずに糖質が少ないことです。原材料がシンプルな商品も多くあります。
高カカオの注意点
苦味が強く、慣れるまで食べにくいこと。そして、脂質、カフェイン、テオブロミンが多めなことです。
糖質オフ商品の利点
甘さがあり、普通のチョコに近い感覚で食べられることです。
糖質オフ商品の注意点
甘味料(マルチトールなどの糖アルコール)は、一度にたくさん食べるとおなかがゆるくなることがあります。
そして、次の表示の違いに注意が必要です。
Know:「糖類ゼロ」と「糖質ゼロ」は違う
言葉の違い
| 表示 | 意味 |
|---|---|
| 糖質 | 炭水化物から食物繊維を除いたもの(糖類、糖アルコール、でんぷんなどを含む) |
| 糖類 | 糖質のうち、砂糖やブドウ糖などの単糖類・二糖類 |
糖アルコールは「糖質」に含まれますが、「糖類」には含まれません。
起きること
砂糖の代わりにマルチトールを使った商品は、
- 糖類:ほぼゼロ
- 糖質:しっかりある
ということがあります。
「糖類ゼロ」の文字だけを見て、糖質も少ないと思い込まないでください。必ず栄養成分表示の「糖質」を確認します。
糖アルコールの数え方
糖アルコールの中には、血糖値に与える影響が砂糖より小さいとされるものがあります。
そのため、糖質制限の方法によっては、糖アルコールを糖質から差し引いて考えることがあります。
ただし、糖アルコールの種類によって性質が違い、数え方にも考え方の違いがあります。 医療として糖質を管理している方は、自己判断せず、主治医や管理栄養士に確認してください。
Know:糖質以外にも見るべきこと
脂質とエネルギー
糖質が少ないチョコレートほど、脂質が多い傾向があります。
| 食べる量 | 糖質 | 脂質 | エネルギー |
|---|---|---|---|
| 高カカオ72%・3枚 | 約4g | 約6g | 約84kcal |
| 高カカオ86%・3枚 | 約2g | 約7g | 約87kcal |
| 高カカオ72%・10枚 | 約13g | 約20g | 約280kcal |
「糖質が少ないから」と量を増やすと、エネルギーはすぐに増えます。
体重管理も目的にしているなら、エネルギー量も必ず確認してください。
カフェインとテオブロミン
高カカオほど多く含まれます。 夕方以降にたくさん食べると、寝つきに影響することがあります。
食物繊維
高カカオは食物繊維も比較的多めです。糖質の計算で差し引けるので、表示を確認してください。
Do:糖質制限中の上手な取り入れ方
1. 1回の量を小皿に出す
袋ごと手元に置かず、食べる分だけ出す。
計算した糖質量を守りやすくなります。
2. 高カカオは72%から慣らす
いきなり95%に挑戦すると、苦味で続きません。
72%→86%と、少しずつ上げていくのがおすすめです。
3. ナッツと組み合わせる
ナッツは糖質が少なく、満足感を高めます。
チョコの量を減らしても満足しやすくなります。ただし、ナッツも脂質とエネルギーが多いので量は控えめに。
4. 甘い飲み物と合わせない
無糖のコーヒー、紅茶、お茶と一緒に。
甘いカフェラテと合わせると、糖質がすぐに増えます。
5. 糖質オフ商品は少量から試す
初めての商品は、表示の1回量より少なめから試して、おなかの調子を見てください。
6. 記録する
食べた量と糖質を、食事の記録と一緒に書き留めておくと、1日の合計を把握しやすくなります。
Do:医療としての糖質管理との違い
目的によって必要な管理が違う
体重管理のための糖質制限と、糖尿病などの治療のための糖質管理では、必要な管理の厳密さが違います。
治療中の方は主治医の指示を優先
糖尿病の治療中の方、血糖値を下げる薬を使っている方は、糖質のとり方を自己判断で大きく変えると、低血糖などのリスクがあると言われています。
チョコレートの取り入れ方も含めて、必ず主治医や管理栄養士に相談してください。
極端な糖質制限について
極端に糖質を減らす方法については、体調への影響が指摘されることもあります。
持病がある方、妊娠中・授乳中の方、成長期の子どもは、特に慎重に考え、医師に相談してください。
私が糖質制限中にチョコを選んだ経験
実体験を書きます。
私が糖質を控えめにしていた時期、甘いものが欲しくなって、最初に手に取ったのは「糖類ゼロ」と書かれたチョコレートでした。
「これなら糖質も少ないはず」と思い込み、1日に1袋の半分ほど食べていました。
ある日、栄養成分表示をよく見ると、「糖質」の数字はそれなりにありました。 甘味料のマルチトールが、糖質に含まれていたのです。
さらに、おなかがゆるくなる日もありました。
表示を読まずに、言葉の印象だけで選んでいたことに気づきました。
その後、高カカオチョコレートの72%に切り替えました。
栄養成分表示で1枚あたりの糖質を計算すると、約1.3g。3枚で約4gです。これなら、自分が決めた1日の糖質の範囲に無理なく収まりました。
最初は苦味に慣れませんでしたが、2週間ほどで気にならなくなり、今は86%も食べられます。
もうひとつ気をつけるようになったのは、エネルギー量です。糖質が少ないからと10枚近く食べた日があり、計算するとエネルギーが280kcalほどになっていました。
糖質だけでなく、量そのものを決めること。 これが、糖質制限中にチョコと付き合ういちばんのコツだと感じています。
この記事で参照した情報について
栄養成分の数値は、文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」および各メーカーの公表値をもとにした目安です。商品によって差があるため、必ず各商品の表示をご確認ください。
「糖類ゼロ」などの表示ルールは、日本の食品表示基準に基づく一般的な内容です。
糖アルコールの糖質としての数え方については、考え方に違いがあります。この記事では一般的な考え方を紹介したものです。
1回の糖質量の目安は、私が一般的な情報をもとに提案しているものであり、公的な基準ではありません。
なお、この記事は食品選びに関する一般的な情報であり、診断や治療を目的としたものではありません。糖尿病などで治療中の方、血糖値を下げる薬を使っている方、持病のある方、妊娠中・授乳中の方は、必ず医師や管理栄養士にご相談ください。
よくある質問
Q. 糖質制限中でもチョコは食べられますか?
選び方と量しだいで取り入れやすいお菓子です。1回に食べる量の糖質を計算して、高カカオを少量から試してください。治療中の方は主治医の指示を優先してください。
Q. 糖質はどう計算しますか?
栄養成分表示の炭水化物から食物繊維を引いて計算します。「糖質」と書かれていれば、その数字を使います。
Q. 高カカオと糖質オフ商品、どちらがいいですか?
甘味料を使わずに糖質を抑えたいなら高カカオ、苦味が合わない場合に糖質オフ商品を検討するのがおすすめです。
Q. 「糖類ゼロ」なら糖質も少ないですか?
そうとは限りません。甘味料の糖アルコールは糖質に含まれます。栄養成分表示の「糖質」を確認してください。
Q. 1回にどれくらい食べていいですか?
高カカオ72%なら2〜3枚(糖質約3〜4g)から始めると取り入れやすいと思います。ご自身の糖質の目標に合わせて調整してください。
Q. 糖質が少なければたくさん食べてもいいですか?
おすすめしません。糖質が少ないチョコほど脂質が多い傾向があり、エネルギーはすぐに増えます。
Q. 糖アルコールは糖質に数えますか?
糖質制限の方法によって考え方が違います。医療として管理している方は、主治医や管理栄養士に確認してください。
Q. 糖尿病でも同じように考えていいですか?
治療中の方、特に血糖値を下げる薬を使っている方は、自己判断で糖質のとり方を大きく変えないでください。必ず主治医に相談してください。
まとめ
糖質制限中のチョコレートの選び方を整理します。
選ぶ基準は、「1回に何gの糖質をとるか」です。
糖質は、炭水化物から食物繊維を引いて計算します。単位が「100gあたり」か「1枚あたり」かも必ず確認してください。
まずは、甘味料を使わない高カカオを少量から。 高カカオ72%なら3枚で糖質約4g、86%なら約2gです。
苦味が合わなければ、糖質オフ商品を検討。 ただし、「糖類ゼロ」は「糖質ゼロ」ではありません。 私は「糖類ゼロ」の言葉だけで選び、実際には糖質がしっかりあったこと、おなかがゆるくなったことを経験しました。
糖質が少なくても、脂質とエネルギーは少なくありません。 量そのものを決めて、小皿に出して食べてください。
そして、糖尿病などの治療として糖質を管理している方は、主治医や管理栄養士の指示を最優先に。 特に血糖値を下げる薬を使っている方は、自己判断で糖質のとり方を大きく変えないでください。

